家の次に高い買い物、「車」。
好きな方もいますが、まったく興味のない方もいますよね。
車選びって何に気をつけていいかまったく分からない・・・
興味のない方にとっては、選ぶ基準が分からないだけでなく、選ぶ時間すら苦痛ではないでしょうか。
そこで今回は、「車選びに迷ったらどうしたら良いか」について、元中古車販売員の私が解説します。
- 車の選び方がよく分からない
- 車買うのが初めてで何を気をつければいいか分からない
- 必需品だからハズレは引きたくない
- お店の選び方も知りたい
ではいってみましょう。
失敗しない車の選び方
以下のステップ順に行動すれば、OKです。
- ステップ1 車のサイズを決める
- ステップ2 予算を決める
- ステップ3 お店を選ぶ
- ステップ4 商談後、一度持ち帰る(即決しない)
- ステップ5 契約から納車まで
順に解説します。
ステップ1 車のサイズを決める
結論、「サイズ選びをしっかりする」、これがもっとも重要です↓
- なぜなら…
- 「車選びに失敗する」ということは、ほとんどが「サイズ選びに失敗する」ということだからです。
よくある失敗例としては以下のようなことがあげられます。
- 家族が全員乗れず1台で出かけられない → 乗車定員(大きさ)
- いざ旅行に行くときに荷物があまり積めない → 大きさ
- 思ったより狭くて窮屈な感じがする → 大きさ
- 段差が高くておじいちゃんが乗りにくそう → 車高
- 車のサイズが大き過ぎて運転しづらい → 大きさ
- 車庫入れが面倒 → 大きさ
- ボディーカラー選びを間違えた(例:黒色は暑い) → 判断ミス
上記を見てもらえば分かる通り、後悔しているのはおおよそが「車のサイズ」についてです。つまり、サイズ選びに失敗しなければ、ほぼ正解ということになります。
- 最大乗車人数を決める(家族構成を考える)
- 車の使用目的を考える(利便性を取るか、機能性を取るか)
- 自宅の駐車場の広さ(車庫入れがしやすいかどうか)と誰がメインの運転者かを考える
- ※補足 お年寄りを乗せることはあるか(段差が高いものは×)
では、車を買う際に避けては通れない家族への相談事項について、順番に解説します。
①最大乗車人数を決める(家族構成を考える)
普段は4人家族、でもたまに祖父母が乗るからMAX6人、ということで最大乗車人数は6人。といった感じです。最大乗車人数を先に決め方がいい理由は、車種が一気に絞れるからです。
しかも、ここで決めてしまえば、後で困ることがないので安心です。
ここからは、2つの家族を例に比較します。前提条件は同じ家族構成で、最大乗車人数を決めたAさん家族と決めなかったBさんとという設定にします。
✓条件
Aさん家族:最大乗車人数をあらかじめ決めた
Bさん家族:最大乗車人数を決めなかった
※A家族・B家族は同じ家族構成で、5人家族+祖父母2人とします。
家族でご飯を食べに行こうか?
そうだね、おじいちゃんおばあちゃんにも声かけようか
そうしよう。美味しいもの食べたいわね。
そうだ、今度、久しぶりにおじいちゃん達と旅行でも行かない?
いいね!温泉でも行こうか
孫との思い出作りにも良いし、そうしてあげよう。元気なうちに
Aさんはうまくいきますよね、ではBさんはどうでしょうか。
家族でご飯を食べに行こうか?
そうだね、おじいちゃんおばあちゃんにも声かけようか
そうしたいけど、うちの車5人乗りよ、無理じゃない?
タクシーで行ってもらうか?
そうしようか、でもすぐに来てくれるかしら?
聞いてみるか、でも今日は日曜だしこの時間はむずかしいかもね・・・
今日はやめておきましょう、また今度ゆっくり・・・
Bさんのように、事前にこのケースを考えていないと、そうなってしまいますよね。
このように最大乗車人数はサイズを決める上でかなり重要になってきます。
もちろん、Bさんの夫のように「タクシーを使う」という代替提案もありますので、必ずしも最大乗車人数の車を買うことが、絶対必須というわけではありません。
ただ、せっかく維持費のかかる車の所有です。そもそも便利な道具として考えると、いざというときに使えるという要素は重要です。
ちなみに、よくある意見として、こんなのがありますよね↓
すべての車選びがトレードオフ(何かを得ると別の何かを失う、相容れない関係)かというと、そうでもないのでご安心を。
大きいけど小さい車、各メーカーも頑張っていろいろと作っています。
あと、旅行はレンタカーを使うとか、友人の車を借りるとか、必要に応じて対処するということで、不便さをカバーするという考え方もあります。日常生活の利便性を重視して車を買うのは、もちろん全然アリです。
②車の使用目的を明確にする(利便性を取るか、機能性を取るか)
使用目的と必要なことを書き出します。
使用目的 | 必要なこと |
子どもの部活の送迎 | 子どもの部活の送迎→荷物を載せたい・子どもの友達も乗るかも |
買い物 | 買い物→荷物を載せたい・小回りがきく方がいい |
祖父母(別居)と遠出 | 祖父母(別居)と遠出→多人数を乗せたい |
この例だと、「荷物が載る、多人数が乗せられる車」が正解です。
もしこれが、買い物の頻度が多いから小回りのきく車にしたい(利便性を取ること)となれば、荷物や多人数が乗ることはできないので、割り切りましょう。
③自宅の駐車場の広さ(車庫入れがしやすいかどうか)と誰がメインの運転者かを考える
いくら大きい車が欲しくても、入らなければどうにもなりませんので、大前提で車庫にはある程度の大きさでも入ると仮定します。
ここで重要なのは、乗る頻度と慣れです。車庫入れが面倒になるか、慣れるか、これはその人次第なので一概には言えません。
ポイント
メインの運転者が運転が得意な場合は問題ありませんが、不得意な場合は、運転しやすい車(例えば角が見やすいとか、バックモニターがついているとか)を選ぶ必要があります。
これをすれば万事解決となるとは限りません(運転が不得意な場合はどんなサイズの車でもぶつける可能性が高い)が、車体サイズが小さい方が、ぶつけにくいのは確かです。
※補足 お年寄りを乗せることはあるかを考える(段差が高いものは×)
高齢化社会です。今はなくても今後に増える問題でしょう。可能なら低床の車がおすすめです。もし低床タイプの車が条件を狭めてしまう場合は、以下のようなアイテムを後付けすることで補うこともできます。
写真のようなステップも購入後に(購入と同時でも)取り付け可能です。
ここまでを例をはさんでまとめます。
✓例:Aさんの場合
決めること | 備考 |
①最大乗車人数を決める(家族構成を考える) | 4人家族+年に1回2人追加=6人 |
②車の使用目的を考える(利便性を取るか、機能性を取るか) | 基本的に1人または2人で買い物 |
③自宅の駐車場の広さと誰がメインの運転者かを考える | 駐車場は狭め、運転は自分(苦手) |
※補足 お年寄りを乗せることはあるかを考える | 年に1回は乗せる |
結論 | 6人乗り以上のコンパクトミニバン(例:ホンダフリード、トヨタシエンタ) |
根拠 | 最大乗車人数=6人、運転が苦手なのでコンパクトカーに近い大きさの多人数乗車可能なモデル |
以上が「車のサイズを決める」でした。これが決まったら、あとは予算とお店決めです。
ステップ2 予算を決める
予算決めは、以下の2点がポイント。
- 維持費
- 支払い方法
維持費
皆さんご存知のとおり、車は買って終わりではありません。維持が必要ですので、無理のない計画で考えなくてはなりません。
まずは維持費がいくらか調べることで、月々の支払額がある程度わかりますので、いくらのローンが組めるかも判断できます。以下が維持費の内訳です。
- 税金(車種によって変わります。毎年5月)
- 車検代(2年に1回、車種によりますが、最低5万円〜)
- 駐車場代(毎月)
- ガソリン代(走った分)
- 任意保険代(毎月または毎年)
- 高速代(走った分)
- ローン(分割購入の場合、毎月)
自動車税の料金表を参考までに載せておきます。
排気量 | 税率(年額) |
軽自動車 | 10,800円 |
1,000cc以下 | 29,500円 |
1,000cc超〜1,500cc | 34,500円 |
1,500超〜2,000cc | 39,500円 |
2,000cc超〜2,500cc | 51,000円 |
2,500超〜3,000cc | 51,000円 |
3,000cc超〜3,500cc | 58,000円 |
3,500超〜4,000cc | 66,500円 |
4,000超〜4,500cc | 76,500円 |
4,500cc超〜6,000cc | 88,000円 |
6,000cc超 |
参照元:東京都主税局
ちなみに、古い車を購入するときの注意点が以下の通り。
- 自動車税については、新車登録から11年以上経過したディーゼル車であったり、13年以上経過したガソリン車とLPガス車は約15%増額となる
- 重量税については、新車登録から13年以上経過すると軽自動車は約20%、乗用車は約39%の増額となる
つまり簡単な話、「古い車は買うとき安いけど維持費高いよ」ってことです。なので、中古車の場合は5年乗るか10年乗るかで変わってきますが、目安5年乗ると考えて、いくら古くても8年前くらいの車で購入を考えるのがいいと思います。
分かりやすい例えで、以下で年間の維持費を記載します。
車種 | フリード |
自動車税 | 34,500円 |
車検 | 約8万円〜10万円÷2年=約45,000円(1年で換算して) |
駐車場 | 月極15,000円×12ヶ月=180,000円(1ヶ月15,000円と仮定) |
ガソリン | 月6,000円×2回給油×12ヶ月=144,000円(1回の満タン給油を6,000円と仮定) |
任意保険 | 月10,000×12ヶ月=120,000円(等級にもよる。ここでは車両保険付きで月額10,000円と仮定) |
高速代 | ほとんど乗らないとして月3,000円×12ヶ月=36,000円 |
ローン | 月35,000円×12ヶ月=420,000円(価格による) |
年間合計 | 979,500円 |
月間合計 | 81,625円 |
うっ・・・結構かかるね、維持費・・・。
ですね。日本は維持費が高いです。
支払い方法
今度は購入の方に目を向けましょう。車の購入費に関しては、一番安く買う方法は、もちろん現金です。金利もかからないのでスッキリ。
とはいっても、車屋の営業マンはきっと「ローンを組んでもらえたら、〇〇を値引きします!あとこれをオプションとして・・・」みたいなことを言ってくるかもしれません。
しかし、ローンの金利とその値引きや付けてくれたオプションの総額とを比べてみてください。金額が大きいのでローンを組む方も多いと思いますので、以下に簡単にローンの種類を載せておきます。
- オートローン(自社ローン・ディーラーローン・信販会社ローン)
- 銀行系のマイカーローン
- カードローン
私のおすすめローンは、銀行系ローンです。
理由はもちろん金利が安いからです。
メリット | デメリット |
金利が安い | ・審査期間が長い ・審査基準が厳しい ・提出書類が多い |
※ここでは「車の選び方」がメインテーマなので、ローンの違いについては割愛します。ただ、こんな方法もあります。
番外編
購入時はディーラーローンを利用して、後日銀行で借り換える
この方法は、私自身が試しました。面倒ですが、スマホで書類の写真を送ったり、担当者と電話や店頭でやり取りしたりすることは、車を買う前に銀行マイカーローンの申し込みすることと大差はないと思います。なので、早く車が欲しい方なんかは、アリな手法かもしれません。
※ただし、最近は借り換えをやっていない銀行や、借り換えの方がディーラーローンより金利が高い場合もありますので、車を買う前に、各金融機関に確認を取ることをおすすめします。
ステップ3 お店を選ぶ
お店選びは重要です。まずは良いお店の基準は以下の通り。
- 電話対応が良い
- 入店・退店時の挨拶が笑顔で大きな声・店員が全員している
- 店内が綺麗(特にトイレが綺麗だとなおよし)
- 目配り気配りが行き届いている
おすすめはディーラーです。中古車も新車も。
- なぜなら…
- メーカーの看板を背負っているから。下手なこと(騙したり)はできません。中古車なんかも、値段こそ高いですが比較的良質なものを置いてます。ただし、営業マンが良いとは限らないので、あくまで「お店」としておすすめします。
ちなみに私自身は、以前とある有名ディーラーで整備士に非常に嫌な対応をされて、すぐに店を出た経験もありますので、過信は禁物です。
在庫や展示車(見本)の有無を確認するために、まずは電話することをおすすめします。で、対応が良ければ来店する。
良いお店かどうかは、入店時の挨拶でだいたい分かります。車で敷地に入った瞬間、出迎えがあったり、挨拶が大きく笑顔だったりすると、期待大です。
ポイント
面倒ですが、必ず複数店舗を回りましょう
回ると必ず発見があります。そして違いも分かります。めんどくさいですしかなり疲れますが、必ず最低3店舗は回りましょう。
私は愛車のハイエースを買うとき、8店舗回りました。
最終的に、かなり満足度の高い買い物になりました。購入後もお世話になる店ですし、高い買い物なので、回るのは本当におすすめです!
ステップ4 商談後、一度持ち帰る(即決しない)
初めての商談で即決する方がいます。中古の場合、なくなってしまうのを恐れ、即決したくなるのは分かります。
「下取りの車、いい条件で引き取りますので即決してください!」とか「今日決めてくれたら値引き〇〇円上乗せします!」とか粘る営業マンは必ずいます。
結論、即決はおすすめしません。理由は、次回の来店時(2回目に出会ったとき)の対応で、その営業マンの本質が分かるからです。
- 例えば初回来店時にAという営業マンが対応してくれたとして…
- ・再来店したときにAが自分たちの顔を憶えているかが分かる
・Aではない営業マンBが自分たちを対応していたら、Aはそれに気づいて挨拶に来るかが分かる
・Aが自分たちでない違うお客さんを接客していたら、その態度が客観的に見られる
・Aが前回と同じか、もっといい接客をするかが分かる
とはいえ、営業マンもいい人で、回る時間や気力もない、という方もいると思います。その場合は、即決してもOKです。ただし、のちにアラが見えてくる場合もありますので、そこだけ覚悟しておくのがベストです。
ステップ5 契約から納車まで
遠足は、家に帰るまでが遠足です。先述の通り、納車してからも車屋さんとは長く付き合いが続きます。
契約時に気をつけたいポイントを挙げておきます。
- 担当営業マンは、約束事は忘れないようメモしているか
- こちらの連絡がつきにくい時間帯の配慮をしてくれているか
- 営業マンはできるだけ喜んでもらいたいという気持ちでいるか
上記のことができていたら、かなり満点に近いです。
①担当営業マンは、約束事は忘れないようメモしているか
特にこれは一番大切です。これが守られていなくて、納車時に「約束が違う!」となって揉めることってよく見る光景です。つまり、契約という大切なときですらメモもできない営業マンは、今後いろいろと世話になる際にも、トラブルになる可能性があるということです。
②こちらの連絡がつきにくい時間帯の配慮をしてくれているか
常にお客様目線で行動してくれる証拠です。何に対しても顧客ファーストで、安心できるケースが多いです。
③営業マンはできるだけ喜んでもらいたいという気持ちでいるか
こういう気持ちって伝わってくるんです。できるなら、こういう担当者がいいですよね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。
今回は車選びについて、車をあまり買った経験がない方に向けて、全体の流れを解説しました。
とにかく考えることが多い車選びですが、しっかり考えて選んだ車だと、本当にいい買い物をした感覚が残り、いっそう愛着が湧きますよ。
最後に、おまけです。
- 色選びに迷ったら、リセールバリューの高いパールホワイトにせよ
- 新車で買うなら人気車種にせよ
とにかく迷ったりこだわりがそんなにないなら、この2つだけで決めても良しです(笑)
この記事が皆さんの役に立つことを願っております。より良いカーライフを!
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